Mogwai――エリュシオンとディストピアが同居する、不自然なまでに美しい響き

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Mogwaiが見せるエリュシオンとディストピア。不自然なまでに美しい響きとは。 Music

ポストロックの重鎮、Mogwaiのポテンシャル

Mogwaiとの出会いは過去記事でも触れたが、今回はその楽曲群についてさらに深く踏み込んでいきたい。

取り上げるのは、名盤『Rock Action』に収録された9分31秒の大作、『2 Rights Make 1 Wrong』だ。まずはこの楽曲から見える、彼らの底知れぬポテンシャルを紹介させていただこう。

『2 Rights Make 1 Wrong』:孤独な大地を吹き抜ける風

この曲を聴くとき、僕の脳裏には「広大な草原の大地」が広がる。

2 Rights make 1 Wrongが見せる情景
『2 Rights Make 1 Wrong』が見せる情景はまるで広大な大地に生い茂る草木、優しい風。まるでエリュシオンのよう。

どこか神々しく、まるでギリシャ神話の楽園「エリュシオン」を思わせる光景だ。心地よい風が流れ、印象としては間違いなく「陽」なのだが、一方でそこには人の気配が一切ない。それはまるで、美しきディストピアのようでもある。

冒頭から響くテーマの旋律と、優しくゆっくりとしたシンセサイザー。それは広大な大地にこだまする歌声のようだ。止まることなく繰り返されるアルペジオは、あまりにも綺麗すぎるがゆえに、この世のものとは思えない「不自然さ」を醸し出す。この「不自然なまでの美しさ」こそが、日常を切り離し、僕たちをエリュシオンへと連れ去るトリガーなのだ。

中盤からはボコーダーによる機械質な音が混ざり合い、ギターに代わって「バンジョー」が永遠の旋律を刻み始める。当初の曲名案が「Banjo」だったというエピソードも頷けるほど、この楽器の導入が曲を究極の完成度へと導いている。

エリュシオンを駆ける―ACオデッセイとPray for Sound | SG-Walker.Japan

「鈴鳴り」の残響とMXRがもたらす揺らぎ

この神々しい音の正体を探ると、彼らの機材へのこだわりが見えてくる。

ギターアンプにはMarshallやOrangeに加え、VOX AC30を使用。ポストロックの代名詞とも言える「キラキラとした鈴鳴りの残響」を演出する上で、VOXはまさに最適解といえる。

また、あの心地よい風のような揺らぎは、名機MXR Phase 90によるものだ。このフェイザーがアルペジオに緩やかな命を吹き込み、MXRのポテンシャル以上の効果をこの曲にもたらしている。

MXR® | モリダイラ楽器

特筆すべきはドラムの存在感だ。静謐な曲調を裏切るような力強い響きと、エッジの効いたシンバルの音。これが曲に緊張感を与え、前述した「ディストピア感」をより強固なものにしている。

Mogwai必聴の3選

さらにMogwaiの世界を深く知るための3曲を紹介する。

  • 『Christmas Steps』(アルバム:Come On Die Young)
    静かな不安からドラマティックに展開する10分の大作。後半のバイオリンの旋律は、聴く者の心に鋭く突き刺さる。

  • 『Mogwai Fear Satan』(アルバム:Mogwai Young Team)
    16分という長尺だが、そんなことを感じている余裕はない。これまで経験したことのない特別な空気感に、必ずや酔いしれるだろう。

  • 『Travel Is Dangerous』(アルバム:Mr. Beast)
    ボーカル入りのナンバー。焦燥感と切なさ、そしてその奥にある優しさ。「クルスク沈没事故」をテーマにしたという説もあり、その重厚な背景が音から伝わってくる。

次なる深淵へ

Mogwaiは、音だけで「世界」を構築してしまう。

さて、また次の機会ではさらに深い場所へ。ポストロックのもう一つの頂点、Godspeed You! Black Emperorを取り上げたいと思う。

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