⚠️【ネタバレ注意】本記事は『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』の物語の核心および結末に触れています。未プレイの方はご注意ください。
『アンチャーテッド』という名の没入体験
2016年にNaughty Dogからリリースされた『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』。シリーズ5作目にして、PS5リマスターによってさらなる映像美へと昇華された本作は、もはや「遊ぶ映画」を超えた、一つの歴史探訪体験だ。
僕が本作に惹かれ、そしてこのブログで取り上げる理由は三つある。
- 極限の廃墟美: 崩落した石造りの建築が、深い緑の蔦に飲み込まれていく光景。
- 圧倒的な光のコントラスト: 暗い遺跡の中に差し込む、筋のような日光の美しさ。
- 史実とロマンの融合: ヘンリー・エイブリーら実在の海賊をモデルにした、重厚なミステリー。
特に、物語の終盤で辿り着く伝説のユートピア「リバタリア」の景色は、観る者の言葉を奪う。それはまるで、天空の城ラピュタに降り立ったパズーたちが味わったあの「高揚感」に、少しの「毒」を混ぜたような、美しくも残酷な絶景なのだ。

自由の楽園「リバタリア」の正体
18世紀の海賊伝記『海賊史』に記された、海賊たちの理想郷リバタリア。実在の海賊トマス・テューらが創設したとされるこの場所は、奴隷制度に反対し、真の「自由」を求めた者たちの終着駅だったはずだった。
しかし、ゲームの中で僕たちが目にするのは、自由の象徴ではなく「自由に踊らされた者たちの成れの果て」だ。
檻の中で白骨化した遺体、そして豪華なテーブルを囲んだまま静かに果てている10人の船長たち。


創設者ヘンリー・エイブリーとトマス・テューが、互いに相打ちをして果てたその最期の姿は、美しい自然に飲み込まれつつあるリバタリアが、実は「人間のエゴと疑心暗鬼」で汚れた場所であったことを残酷に突きつける。
sleepmakeswaves:リバタリアを解剖する音
この「美しき終焉」に、僕はオーストラリアの4人組ポストロックバンド sleepmakeswaves の『One Day You Will Teach Me to Let Go of My Fears』を重ねたい。
【楽曲の解剖:リバタリアの探索】

- 序章: ゆっくりと進む船を思わせるリズム。それは、未知の島へと漕ぎ出すネイトたちの期待と緊張感。
- 中章: 荒れ狂う海や険しい崖を越える苦難を表現するかのような、鋭いディストーションサウンド。
- クライマックス: ギターから放たれる、バイオリンのように繊細で美しい旋律。それは眼下に広がるリバタリアの絶景そのものだ。
- 終章: 全てが静まり返るエンディング。テーブルで白骨化した、自由という幻影に踊らされた海賊たちを、優しく弔うかのような静寂。
アルミギターが奏でる「冷たいカタルシス」
sleepmakeswavesのサウンドの核にあるのは、徹底した音へのこだわりだ。
彼らは定番の Strymon「BigSky」や「TimeLine」 を駆使し、深い残響空間を作り上げる。しかし、特筆すべきはギターそのものにある。
彼らが使用する The Electrical Guitar Company(EGC)のオールアルミギター。かつて日本のバンド「BUCK-TICK」の今井寿氏も愛用したアルミボディ(Tokai Talbo)を彷彿とさせるが、その音質は極めて個性的だ。
アルミボディ特有の「冷たく、透き通った硬質な響き」が、悠久の時を超えて紐解かれたリバタリアの「冷え切った真実」と、驚くほどシンクロする。
結末:それぞれの情景
余談だが、この楽曲は海外では映画『トワイライト』の二次制作などで、ラブシーンのBGMとしても親しまれているという。
だが、僕にとってこの音は、どこまでも高く広がるリバタリアの空と、そこに眠る悲しき「自由の骸」たちのための鎮魂歌に他ならない。
文明から隔離された廃墟で、あなたはどんな音を聴くだろうか。
最高級の音響環境で、この「冷たいカタルシス」をぜひ体感してほしい。
「僕がこれまで紹介してきた『ゲーム×ポストロック』の世界をまとめた記事はこちら
ゲームの情景を深化させる「ポストロック」の世界 | SG-Walker.Japan
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