【サイバーパンク2077】沈んだ情景と、心の『門』。RINOA『The Gates』が描くもう一つのPyramid Song

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サイバーパンク2077のジュディと、RINOAの楽曲「The Gates」をテーマにしたブログアイキャッチ Music × Game

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⚠️ 【微ネタバレ注意】
本記事は『サイバーパンク2077』のサイドジョブ「Pyramid Song」の情景や、ジュディ・アルバレスの背景に触れています。 決定的なストーリーの結末には触れていませんが、ご留意の上お読みください。

ナイトシティの喧騒を離れて

『サイバーパンク2077』と言えば、アニメ『エッジランナーズ』の挿入歌『I Really Want to Stay at Your House』があまりにも有名だ。 あの曲を聴くだけで、ナイトシティの空を見上げ、アダム・スマッシャーへの復讐(僕はカーネイジGUTSを握りしめた)を誓った日々が蘇る人も多いだろう。

だが今回は、あえてその「王道」から離れた場所へ、深く潜ってみたいと思う。

サイドジョブ「Pyramid Song」とジュディ・アルバレス

取り上げるのは、サイドジョブ「Pyramid Song」

この物語の中心にいるのは、BD(ブレインダンス)エディターであり、稀代の「BDアーティスト」でもあるジュディ・アルバレスだ。

BDとは、他人の記憶や五感、感情を丸ごと追体験できる技術。ジュディはそんなBDを通じて、自分自身の内面を主人公V(ヴィー)に共有しようとする。

水底に沈んだ街「ラグーナ・ベンド」へのダイブ

このジョブは、ナイトシティには珍しく「静寂」に満ちている。

水没した旧市街「ラグーナ・ベンド」を、ヴィーとジュディはダイバースーツに身を固め、探索するのだ。

公式のモチーフがRadioheadの『Pyramid Song』であることは、クエスト名を見ても一目瞭然だろう。もしその曲を知らなければ、プレイヤーの耳に残るのは、ジュディが寂しげに口ずさむ鼻歌のメロディかもしれない。

しかし、ヴィーとして水中でジュディの過去――彼女の痛みに満ちた記憶――を垣間見たとき、僕の脳裏に鳴り響いたのはそのどちらでもなかった。 それは、RINOAの『The Gates』という、激しくも透明な音の奔流だった。

サイバー2077におけるPyramid Songのイメージ
サイバーパンク2077のサイドジョブ「Pyramid Song」のイメージ画像

3分43秒から開く、新たな「門」と圧倒的な水圧

RINOAはポストハードコアに近い音楽性を持つが、この曲の3分43秒からの展開は、圧倒的なスケールでラグーナ・ベンドの空気感を表現している。

ここで使われるサブドミナントコードは、不安定ながらも「出発」を感じさせる。 それは、何も知らぬままダイビングを始めたヴィーの心境そのものではないだろうか。

さらに、浮遊感をもたらす「#11th」の響きや、マイナーコードの混ざり方が、不安の中に一筋の希望を感じさせる。

特筆すべきは、このサブドミナントコードをもったいぶったかのように引っ張り続けるハイセンスな構成だ。この「焦らし」が生み出す輝きこそ、予想外の展開を見せるポストロックの真骨頂であり、僕がたまらなく愛する瞬間でもある。

何より、トレモロピッキングと深いリバーブによって幾重にも重なった音は、もはや単なる旋律ではない。それは「水圧」という実体を持って、プレイヤーの全身にのしかかってくる。

The Gates』はこの「音の洪水」によって、僕たちの心にある新たな『門』を開放し、サイバーパンク2077という作品が持つ「静かなる衝撃」を引きずり出してくれるのだ。

水底の静寂と「水圧」を直挿しで浴びる『Sennheiser HD 599』

水没した旧市街「ラグーナ・ベンド」を、ヴィーとジュディが探索するサイドジョブ「Pyramid Song」。このナイトシティには珍しい静寂と、RINOAの『The Gates』が放つ深いリバーブによる「水圧」を極限まで体感するなら、開放型ヘッドホン「Sennheiser HD 599(およびHD 599 SE)」が最適解である。

AKG K712 PROやHD 650のようなハイエンド機は、専用のアンプ(DAC)を使用しなければ本来の性能を発揮できない。しかし、HD 599はインピーダンス50Ωという設計により、コントローラーやPCに直挿しするだけで、機材のポテンシャルを100%引き出すことが可能だ。煩わしいセッティングなしで、一気に水底へダイブできるのである。

① E.A.R.テクノロジーで感じる「ラグーナ・ベンドの空間」

HD 599の心臓部、ゼンハイザー独自の「E.A.R.テクノロジー」は、ドライバーユニットを耳に対して絶妙な角度で配置する設計である。これにより音が平面的に張り付かず、斜め前方から自然に響くため、水底の圧倒的な奥行きと立体的な空間表現が生み出される。目を閉じれば、モニターの枠を越え、ダイバースーツに身を固めたヴィーと共に冷たい水の中へ沈んでいく感覚を味わえるはずだ。

② メッシュ構造が逃がす「ノイズと過去の記憶」

計算し尽くされたオープンバック(開放型)のメッシュ構造は、不要な音の波を外へ逃がし、内部に音をこもらせない。だからこそ、RINOAのトレモロピッキングと深いリバーブが幾重にも重なった音の洪水が、決して濁ることなくスッと抜けていくのである。痛みを伴いながらも過去を「開放」する叫びを、この抜け感が見事に表現してくれる。

③ 軽量アルミボイスコイルが刻む「不協和音の美しさ」

微細な電気信号への反応速度(トランジェント特性)に優れた自社開発の軽量アルミボイスコイル。この恩恵により、3分43秒から展開されるサブドミナントコードや、浮遊感をもたらす#11thの響きが、轟音の中でも一切ボヤけずに輪郭を保ち続ける。ジュディの記憶に触れる震えや微かな水泡の音まで、正確な定位感で鼓膜へ届けてくれるのである。

痛みを伴いながらも過去を開放する叫びと、RINOAの激しくも透明な音の奔流。HD 599のオープンな空間表現と極上の静寂は、アンプ不要の直挿しで、あなただけの「新たな門」を開く手助けをしてくれる。サイバーパンク2077という作品が持つ「静かなる衝撃」を、このヘッドホンでぜひ体感してほしい。

あなたと共有したい情景

今回はRadioheadではない「Pyramid Song」を提案させていただいた。

Radioheadのそれが、古代エジプトのような輪廻や死と再生の諦念を描いているとするなら、RINOAの『The Gates』は、痛みを伴いながらも過去を「開放」する叫びだ。

もし、この曲を聴きながら僕と同じような情景——冷たい水圧と、誰かの記憶に触れる震え——を感じてもらえたなら。公式が用意した扉とは違う、あなただけの「新たな門」を開くことができたなら。

それは、音楽とゲームが重なり合う、至高の楽しみ方を共有できたということだ。

ナイトシティの底で、あなたも自分だけの「門」を見つけてほしい。

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