涙の都に溺れて、ギターを抱く――ホロウナイトとポストロックの狂気

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ホロウナイトの記念碑。雨に濡れ、まるで涙を流すような英雄。 Music × Game
ホロウナイトの記念碑はひっそりと、雨に濡れ佇む。City of Tearsが異常なほど似合う場所。

退廃した地下都市の魅力

ホロウナイト。

このゲームを「ただの2Dアクション」と呼ぶ連中とは、美味い酒は飲めそうにない。これは、滅びゆく地下王国「ハロウネスト」の残骸を這いずり回りながら、その美しすぎる絶望を耳の奥に刻み込む体験だ。

知能を得た代償として『汚染』という名の病に侵され、静かに朽ちていった昆虫たちの国。そんな設定はどうでもいい。僕が語りたいのは、この廃墟に流れる「音」の話だ。

思考を麻痺させる、クリストファー・ラーキンの劇薬

探索のなかで、プレイヤーの思考は停止する。代わりに、Christopher Larkinが紡ぐ旋律が脳内に侵食してくる。

特に「涙の都」と呼ばれるエリア。ここは、暴力的なまでに美しい。 常に降り続く雨、薄暗い石畳、そしてChristopher Larkinの『City of Tears』が重なった瞬間、僕はそこに「完璧なポストロック」を見た。

涙の都。雨音の中、青く薄暗い光はうっすらと荒廃した建物を照らす。
涙の都。雨音の中、青く薄暗い光はうっすらと荒廃した建物を照らす。

物悲しく、退廃的で、それでいて凛とした冷たさを持つその響き。彼の音楽がなければ、このゲームはただの空虚な迷路に過ぎなかっただろう。だが、この音があるからこそ、僕はコントローラーを握る手が震えるほどの没入を強いられるのだ。

Caspian「Rioseco」――もう一つの、現実にある絶望

このゲームの世界観を現実の音楽で表現するなら、Caspianの『Rioseco』以外に何があるというのか。

冒頭、静寂を切り裂くリバースディレイ。 それは、涙の都の路面に広がる波紋が、降りしきる雨と打ち消し合いながら、不安定に繰り返される情景そのものだ。

ギタリストならわかるはずだ。ディレイのフィードバックが、まるで意識の混濁のように折り重なっていくあの感覚。繊細なアルペジオが後を追い、やがてアンニュイなメロディが重厚な轟音へと飲み込まれていく展開。

その瞬間、僕の中で「ゲーム」と「現実」の境界はノイズと共に崩れ去る。この音は、もはやBGMではない。滅びゆく王国の断末魔であり、僕自身の感情の吐露だ。

廃墟に救いを求めるな

廃墟とは、作り上げるものではない。かつてあった生活の残骸が、残酷なまでの時間をかけて偶然に産み落とした遺物だ。

涙の都の噴水に立つ「ホロウナイト」の石像。雨のせいで、彼が永遠に涙を流し続けているように見えるあの光景に、救いなど微塵もない。あるのは、圧倒的なまでの「喪失の美」だけだ。

ホロウナイトの記念碑。雨に濡れ、まるで涙を流すような英雄。
ホロウナイトの記念碑はひっそりと、雨に濡れ佇む。City of Tearsが異常なほど似合う場所。

音楽が感情を動かすのではない。 その場所にある情景と、僕らが抱える孤独が、ある特定の音使い――例えば『Rioseco』のような叙情的な旋律――と共鳴したとき、僕らは抗いようもなく涙する。

僕は『Rioseco』を聴くとき、モニターの中に置いてきたはずの「涙の都」に、再び引きずり戻される。

正直に言えば、もうコントローラーなんてどうでもいい。 この曲を爆音で流しながら、SGを抱え、DS-2を思い切り踏み込み、この絶望を増幅させたい。 「もう一つの涙の都」を、僕自身の指先で、この部屋に顕現させるために。

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ゲームの情景を深化させる「ポストロック」の世界 | SG-Walker.Japan

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