【トゥームレイダー】邪馬台国のロマンと新米考古学者の覚醒。If These Trees Could Talk『What’s in the Ground Belongs to You』が鳴らすストレートなカタルシス

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邪馬台国のロマンと新米考古学者の覚醒。If These Trees Could Talk『What’s in the Ground Belongs to You』が鳴らすストレートなカタルシス Music × Game

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⚠️ 【微ネタバレ注意】
本記事では2013年発売のリブート版『トゥームレイダー』において、物語の舞台となる島の背景や、歴史的モチーフに関する記述を含んでいます。核心的なストーリーのネタバレはありませんが、世界の謎に迫る内容を含みますのでご留意の上お読みください。

空白の4世紀と、邪馬台国を追い求める終わらないロマン

日本の歴史において、あまりにも資料が少なく謎に包まれた「空白の4世紀」。その中心に鎮座する最大のミステリーが、邪馬台国の所在地と女王・卑弥呼の存在だ。

2013年にリブートされた3部作の第1作目『トゥームレイダー』は、この歴史ロマンの深淵へ容赦なく飛び込んだ傑作である。

卑弥呼が眠る場所の壁画には天照大神のような図が描かれている。ララはこれを見て瞬時に卑弥呼だと判断した。
卑弥呼が眠る場所の壁画には天照大神のような図が描かれている。ララはこれを見て瞬時に卑弥呼だと判断した。

主人公のララ・クロフトは、まだ大学を卒業したばかりの新米考古学者。彼女は邪馬台国の手がかりを求め、魔の海域と呼ばれる「ドラゴントライアングルの孤島」へと辿り着く。

本作の情景で何よりもプレイヤーの心を狂わせるのは、フィクションとしての圧倒的な「興奮」だ。

邪馬台国が現代まで特定の孤島に隠され、今なお「守護者」たちによって生々しく守られ続けているという設定。そして、もし発見されれば世界の歴史がひっくり返る「卑弥呼のミイラ」を、自らの手で突き止めるという世紀の大発見へのカタルシス。

邪馬台国の卑弥呼を発見するララ。もし本当に卑弥呼が見つかったら世紀の大発見だ。
邪馬台国の卑弥呼を発見するララ。もし本当に卑弥呼が見つかったら世紀の大発見だ。

近年の考古学的発掘でも4世紀の謎は少しずつ明かされつつあるが、このゲームが提示する「誰も見たことのない真実を暴く」という衝動は、僕たちの胸に焦がれるようなロマンを灯してくれる。

この足元に眠る歴史の地層を掘り起こすような興奮に、僕はIf These Trees Could Talkの『What’s in the Ground Belongs to You』を重ねたい。

トリプルギターが描く、不穏な孤島とララ・クロフトの覚醒

If These Trees Could Talkは、アメリカ・オハイオ州出身の5人編成ポストロックバンドだ。

人数が多いからこそ生み出せる重厚で、感情の起伏をストレートに揺さぶる音像が彼らの最大の魅力である。

今回選んだ『What’s in the Ground Belongs to You』は、彼らの特徴である「トリプルギター」の強みが「静と動」のコントラストとして見事に活かされた楽曲だ。

楽曲の前半は、クリーントーンを主体としたテクニカルなアンサンブルが展開される。ここで特筆すべきは、背後で重く響くベースの存在感だ。

地鳴りのように不穏なベースラインが、新米考古学者としてのララの知的な探求心と、ドラゴントライアングルの孤島が放つ「何かが潜んでいる」という不気味なミステリー感を完璧に表現している。

しかし、後半に入ると曲調は一変する。

音の歪みが一気に加わり、非常にエッジの効いた鋭利なディストーションサウンドが炸裂するのだ。

それは、過酷な環境で武装集団や謎の守護者との死闘を経て、僕たちがよく知る「強いララ・クロフト」へと追体験的に覚醒していく、彼女の力強いサバイバル劇そのものである。

ドラゴントライアングルの孤島でサバイバル能力が開花するララ。探し求めた邪馬台国への好奇心が爆発する。
ドラゴントライアングルの孤島でサバイバル能力が開花するララ。探し求めた邪馬台国への好奇心が爆発する。

ポストロックの醍醐味であるドラマチックなカタルシスを、良い意味で強引に、かつこれ以上ないほどストレートに見せてくれるこの展開は、ララが泥を啜りながらも自らの足で立ち上がる姿と完全にシンクロする。

静のミステリーと動の爆発を直挿しで両立する「Sennheiser HD 599」の必然性

前半のミステリアスな空間の広がりと、後半のブリッジミュートを効かせた鋭利なディストーションの刻み。

この極端な「静と動」をどちらも120%のクオリティで鳴らし切るには、当ブログの絶対的定番である開放型ヘッドホン「Sennheiser HD 599」が最適だ。

一般的に開放型は低音の締まりや音圧が弱くなりがちだと言われるが、HD 599は開放型特有の自然な音の抜けを持ちながら、豊かな中低音の厚みをしっかりと兼ね備えている。

そのため、前半のトリプルギターが織りなすクリーントーンや不穏なベースラインを独自の「E.A.R.テクノロジー(傾き設計)」で広大な孤島のミステリーとして描き出し、後半の爆発的なディストーションの嵐では、その鋭いアタック感をスカスカにすることなく力強くダイレクトに届けてくれるのだ。

さらに重要なのは、インピーダンス50Ωという鳴らしやすさ。一般的なPCやゲーム機に直接挿しただけでも、このワガママな「静と動」の展開を、一切のパワー不足や音の破綻なく完璧にコントロールしてくれる。

前半の張り詰めた静寂から、後半のディストーションの嵐へ。HD 599の圧倒的な空間表現と力強い中低音は、孤島の冷たい空気感と、戦士へと覚醒したララが放つ圧倒的な熱量を、アンプ要らずの直挿し環境であなたの鼓膜に叩きつけてくれるだろう。

おわりに

空白の4世紀の闇に埋もれた邪馬台国。その謎を解き明かすために、少女は無慈悲な孤島で戦士へと覚醒した。

リブート版『トゥームレイダー』でララ・クロフトの原点の冒険を駆け抜けた後は、ぜひIf These Trees Could Talkの『What’s in the Ground Belongs to You』を聴いてみてほしい。

トリプルギターが織りなす強引なまでのカタルシスが、未知への恐怖をロマンへと塗り替え、あなたを再びあのドラゴントライアングルの中心へと連れ戻してくれるはずだ。

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