【アサシンクリード オデッセイ】沈みゆく神聖な理想都市。Degree of Arc『Coma Come Quiet』が描くアトランティスの哀愁

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沈みゆく神聖な理想都市。Degree of arc『coma come quiet』が描くアトランティスの哀愁 Music × Game

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⚠️ 【重大なネタバレ注意】
本記事は『アサシンクリード オデッセイ』のDLC「アトランティスの運命」における、アトランティスの情景や第一文明(イス)に関する重大な設定、および結末に触れています。未プレイの方は絶対にご留意の上、お読みください。

神聖なる同心円の都市「アトランティス」の光と影

紀元前4世紀、哲学者のプラトンが『ティマイオス』と『クリティアス』で言及して以降、現代に至るまで多くの人々のロマンを掻き立ててきた伝説の島、アトランティス。

プラトンは、当時最先端とされた機能的な都市計画(ヒッポダモス方式)の概念を取り入れつつも、アトランティスを「完璧な同心円状」の都市として描いた。中央のアクロポリスには階級の高い王家が暮らし、二重の運河が巡らされたその姿は、より厳格で神聖な「独自の理想都市」そのものであった。

プラトンの『ティマイオス』と『クリティアス』におけるアトランティス。果たして本当に存在したのか。
プラトンの『ティマイオス』と『クリティアス』におけるアトランティス。果たして本当に存在したのか。

レウキッペーと島の原住民との間に生まれた娘が海の神ポセイドンと結ばれ、初代王アトラスが誕生したとされるこの国は、神格が強く美しい楽園としてのイメージが強い。

しかし、その歴史の裏には「人間の業」という暗い影が落ちている。時が経つにつれて人間の血が濃くなり、帝国化したアトランティスは富と領土を求めて堕落していく。そしてアテナイへの侵略を機に神の怒りを買い、島全体が海へと沈められてしまうのだ。

第一文明のエミュレーションと、いずれ滅ぶ未来の情景

『アサシンクリード オデッセイ』におけるアトランティスは、このプラトンの伝承をベースにしつつも、シリーズの根幹である「第一文明(イス)」のエミュレーション(仮想現実)として描かれている。

イスの仮想現実におけるアトランティス。石畳や水路など、どれも美しく表現されている。
イスの仮想現実におけるアトランティス。石畳や水路など、どれも美しく表現されている。

完璧な大理石の都市と、その裏で渦巻く神々(イス)と人間の業。オリジナル要素が加わっているとはいえ、「いずれ滅びて海へ沈む未来が待っている」という逃れられない悲劇の情景は変わらない。

美しい理想郷が、人間の欲望によって滅びゆく寂しさ。その神々しさの中にある哀愁感を見事に表現してくれるのが、Degree of Arcの『Coma Come Quiet』という楽曲だ。

『Coma Come Quiet』が奏でる、退廃的な空間とドローン

Degree of Arcの『Coma Come Quiet』は、深いリバーブがかけられた、アンビエント(環境音楽)の要素を強く感じる楽曲である。

おそらくハイエンドな機材によって作られたであろうその残響音は、どこか「この世ならざる空間」を感じさせ、ゲーム内の仮想現実であるアトランティスの不気味なほどの美しさと恐ろしいほどにリンクする。

そして何より特徴的なのが、底を這うように多用されるドローン(持続音)だ。

この現実離れした音の揺らぎが、完璧に構築された都市の裏でゆっくりと進行していく「堕落」と、やがて海へと沈んでいく絶望的な情景を僕たちの脳裏に浮かび上がらせるのである。

アトランティスの空気を直挿しで体感する「Sennheiser HD 599」

『アサシンクリード オデッセイ』が描く完璧な大理石の都市と、Degree of Arcが奏でる深いリバーブと退廃的な空間。この二つを極限まで引き合わせるために提案したいのが、Sennheiserの開放型ヘッドホン「HD 599」だ。

① E.A.R.テクノロジーが描く、アクロポリスの立体的な広がり

『Coma Come Quiet』の深いリバーブは、単なる残響ではなく「巨大な神殿の中にいるような空間」を作り出している。HD 599はドライバーを耳に対してわずかに傾ける独自の「E.A.R.テクノロジー」を採用しており、音が耳に張り付かず、斜め前方から部屋の空気を伝わってくるような圧倒的な奥行きを生む。目を閉じれば、完璧な同心円状に作られたアトランティスの広大な空間をそのまま肌で感じることができるはずだ。

② オープンバックが生み出す、淀みのない「静寂と消失」

人間の業によって神の怒りを買い、海へと沈んでいく都市の哀愁。この寂しさを表現するには「音の消え際」が命となる。HD 599の計算し尽くされたオープンバックのメッシュ構造は、不要な音の波を外へと淀みなく逃がす。密閉型特有のこもる不快感が一切なく、深いリバーブの余韻が空気中にスッと溶けていく静寂を、息を呑むほど美しく描き出してくれるのだ。

③ アルミボイスコイルが捉える、ドローン音の微細な揺らぎ

現実からかけ離れた情景を思い起こさせる、底を這うようなドローン。HD 599に搭載された軽量アルミボイスコイルは、電気信号への反応(トランジェント特性)が極めて優秀だ。重く鳴り続ける音の中でも、微かな音の揺れや弦の震えを決してボヤけさせず、ゲーム内の環境音や足音の定位感も完璧に拾い上げてくれる。

巨大な大理石の神殿に反響する足音と、空気に溶けていくドローン音の静寂。HD 599の圧倒的な空間表現と音の抜け感は、いずれ海へ沈む運命にある「美しき理想郷」の哀愁を、あなたの耳元で完璧に再現してくれるだろう。

おわりに

完璧な機能美を持ちながらも、人間の果てしない業によって海へと沈んでいった幻の理想都市アトランティス。

『アサシンクリード オデッセイ』でその眩しくも物悲しいエミュレーションの世界を歩んだ後は、ぜひDegree of Arcの『Coma Come Quiet』に耳を澄ませてみてほしい。

深いリバーブとドローンが織りなす退廃的なアンビエントが、神々の楽園が辿った美しき没落の情景を、あなたの心に静かに、そして深く刻み込んでくれるはずだ。

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