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少し趣向を変えて、今回は過去の「SG-Walker」の記事でも取り上げる『アサシン クリード』シリーズの中から、古代ギリシアを舞台にした『アサシン クリード オデッセイ』を取り上げる。
このゲームは広大なエーゲ海と、そこに点在するポリス(都市国家)の美しさが魅力だが、僕が今回フォーカスしたいのは、そこに遺された「巨大な彫刻」と、その制作者である天才のロマンだ。
今回は、アイルランド出身の6人組ポストロックバンド、Overhead, The Albatrossの楽曲『Daeku』をフィーチャーし、史実の彫刻家ペイディアスが巨大像に打ち込んだ情熱と、彼を包むミステリアスな沈黙の情景に重ね合わせてみたい。
古代ギリシアの天才彫刻家ペイディアスと、アイリッシュ・ポストロックの雄Overhead, The Albatross。以降の記事は『Daeku』をバックグラウンドで聴きながら読み進めてほしい。きっと古代ギリシアの美しい世界とペイディアスのロマンの情景が広がることだろう。
天才ペイディアスと、世界七不思議のロマン
紀元前5世紀。アテネの黄金時代。
天才彫刻家ペイディアスは、時の指導者ペリクレスの信任を得て、アクロポリス再建計画の総監督を務めた人物だ。彼はその生涯で、人類の歴史に残る巨大な彫刻をいくつも手掛けた。
『アサシン クリード オデッセイ』においても、ペイディアスは重要な史実の人物として登場し、プレイヤーは彼の依頼を受けることになる。そして、彼が手掛けた巨大像の圧倒的な存在感に、プレイヤーはゲームの世界であっても畏怖の念を抱かざるを得ない。

パルテノン神殿の近くに鎮座する、高さ約12メートルのアテナ・パルテノス(アテナ神像)。『アサシン クリード オデッセイ』において、その黄金に輝くアテナ像は、神殿の闇を切り裂くような神聖な存在感を放っている。

そして、さらに巨大な『オリンピアのゼウス像』。『アサシン クリード オデッセイ』で再現されたその姿は、神々の王としての圧倒的なスケール感と、ペイディアスが打ち込んだ情熱の巨大さをプレイヤーに突きつける。実際には12メートル級だったと言われているが、ゲーム内ではさらに誇張されている可能性もある。だが、その巨大さこそが、紀元前という時代にこれほどの作品を残したというロマンを、より鮮明なものにしているのだ。
これほどまでに巨大で、精緻な像を紀元前の技術で作り上げた情熱。そして、彼を包む史実のミステリアスな空気感。
Overhead, The Albatrossの『Daeku』には、そのロマンとミステリーが、音の響きとして鮮明にあふれている。
アイリッシュ・ポストロックが鳴らす、古代ギリシアの「ミステリー」
アイルランド出身のOverhead, The Albatrossは、ポストロックという枠さえも超えてきそうな様々な楽器を扱い、魅力的な音世界を紡ぎ出すバンドだ。
彼らの楽曲『Daeku』は、その緻密な構成によって、僕の頭の中にペイディアスの情熱と、巨大像が持つミステリアスな情景を完璧にシンクロさせる。
曲の構成とペイディアスの情景は、以下の共通点を感じる。
- A. 冒頭: ディレイの効いたギターとシンセサイザーの深い音が、ギリシアの眩い太陽と、霧深いエーゲ海の美しい情景をプレイヤーの心に刻む。
- B. 展開: ベースとドラムが参加し、リズムが情熱を帯びてくると、それはアテナ像、ゼウス像を作った鬼才ペイディアスの、ノミを打ち込む鬼気迫る情熱を印象付けさせられる。
- C. 変化: 曲調が変わり、女性コーラス(公式にクレジットされたEmilie DalyとKevin Letfordのコーラスなのか?)のような音が導入される。世界七不思議の像が持つ、神聖で、そして理解を超えたミステリアスな側面が、この音によって視覚化されていく。
- D. カタルシス: 圧倒的な轟音の爆発。時代を超えて語り継がれる、ペイディアスの遺産の巨大なロマンが、カタルシスとなってプレイヤーを包み込む。
音が、古代のエーゲ海へとトリップさせる
この『Daeku』の轟音のカタルシスと、ペイディアスが遺した巨大像のロマンを、最大限に深化させ、ありのままに体験するなら……。
僕が提案したいのは、当ブログの絶対的定番である開放型ヘッドホン「Sennheiser HD 599」である。
特に、『Daeku』の中盤で響くチャイムの美しい余韻。バイオリンの繊細な擦過音。そして、スネアドラムの抜けの良さ。これらをアンプ等の追加機材なしで100%味わうなら、このヘッドホンのポテンシャルが最適解だ。
Sennheiser独自の「E.A.R.テクノロジー(傾き設計)」と開放型のメッシュ構造が、音がこもらない広大なサウンドステージを作り出し、古代ギリシアの眩い太陽とエーゲ海の開けた空気感を完璧に表現してくれる。
この開放型のヘッドホンで聴く『Daeku』は、まるでペイディアスがゼウス像の仕上げにノミを打ち込む音まで聴こえるような、圧倒的な没入感だ。音が、あなたを紀元前のエーゲ海へとトリップさせてくれる。
おわりに
いかがだっただろうか。『アサシン クリード オデッセイ』におけるペイディアスの登場は大きな比重を持ったものではないが、そこにあるのは、単なるゲームのミッションでは収まらないロマンがあったはずだ。
ペイディアスが残したのは、古代のエーゲ海へとトリップさせ、プレイヤーは画面を超え、紀元前の霧深いエーゲ海に立つ巨大像の足元へと、精神を深く没入させることができたはずだ。
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