友の墓標に捧ぐ――『レッド・デッド・リデンプション2』とPray for Sound『Nightswimming』

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友の墓標に捧ぐ。Red Dead Redemption2とPray for Sound『Nightswimming』 Music × Game

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⚠️ 【最重要:致命的なネタバレを含みます】
本記事は『レッド・デッド・リデンプション2』の本編エンディング、およびエピローグの結末に関する重大なネタバレを含みます。 本作は「人を選ぶ」と言われることもありますが、僕にとってはこれほどまでに濃厚で、魂を揺さぶられるヒューマンドラマはありません。未プレイの方は、今すぐこのページを閉じ、一人の男の生き様を最後まで見届けてから、またここへ戻ってきてください。

この物語は、法が支配し始めた西部の終焉で、最後までアウトローとして生き、そして散っていった男たちの挽歌だ。

今回は、主人公アーサー・モーガンの旅路が終わり、その意志を継いだジョン・マーストンが立つ「ある静かな場所」の情景に、Pray for Soundの『Nightswimming』を重ねてみたい。

アーサーの墓前。美しい山が望める美しい場所にアーサーは眠る。
アーサーの墓前。美しい山が望める美しい場所にアーサーは眠る。

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レッドデッドリデンプション2の西部には全くそぐわない音。しかし、すべてを終えてアーサーの墓前にたたずむジョンに合わせて聴いてみてほしい。きっとジョンの複雑な心情の情景と絡み合うはずだ。

継承された帽子と、捨てきれなかった「仇」

崩壊していくダッチギャングの中で、結核に侵されながらも、自分を信じてくれた弟分・ジョンを逃すために己を犠牲にしたアーサー。

彼は最後に自分の帽子をジョンに授け、「最後くらい何かしてやりたい。家族のもとへ行け」と遺した。ジョンはその痛切な願いを胸に、ギャングから足を洗い、愛する家族と再会し、泥臭くも誠実な生活を送ろうと努力する。

しかし、ジョンの心の中には、どうしても消し去れない火種が残っていた。アーサーを裏切り、死に追いやった男への復讐だ。

結果として、ジョンはかつての仲間であるセイディやチャールズと共に、アーサーの仇を討つ。それはアーサーが最期に望んだ平穏から一歩踏み外す行為であり、家族を危険に晒す選択でもあった。

アーサーの墓前に立つジョン。

アーサーの墓前にたたずむジョン。すべてを成し遂げたジョンはこの後も家族を守り抜く。
アーサーの墓前にたたずむジョン。すべてを成し遂げたジョンはこの後も家族を守り抜く。

そこにあるのは、純粋な勝利感ではない。アーサーの遺志に背いた自分への後ろめたさと、それでもやらなければならなかったという執念。そして、すべてが終わったことによる、あまりにも静かな安堵だ。

『Nightswimming』が映し出す、過去への揺らぎ

この複雑に絡み合ったジョンの内面を、Pray for Soundの『Nightswimming』という楽曲は見事に映し出してくれる。

この曲には、テープエコーのようなアナログテイストの「揺らぎ」がある。その暖かみのある音の滲みは、ジョンがアーサーと共に荒野を駆けた、美しくも残酷だった過去を懐古しているかのように聴こえる。

ゆっくりとした曲調は、失ったものの大きさを突きつける物悲しさに満ちているが、メロディラインには消えない強い意志、エモーショナルな熱が宿っている。

ポストロックには珍しく、この曲にははっきりとした「サビ」のような盛り上がりがある。

しかし、そのカタルシスは決して派手な解放ではない。どこまでも物悲しさを引きずるような、深い余韻を残す構成。それは、仇を討ってもアーサーが帰ってくるわけではないという虚しさと、それでも彼への報いを果たしたジョンの心の着地を、完璧に表現している。

ジョンの震える想いを、空間全体で受け止めるために

アーサーの墓前で、風の音と共に響くジョンの言葉にならない叫び。

この『Nightswimming』が持つ、アナログな温度感とエモーショナルなカタルシスを100%体験するために、僕が提案したいのは、当ブログの絶対的定番である開放型ヘッドホン「Sennheiser HD 599」だ。

HD 599を語る上で欠かせないのは、その「ウォームな中低音の厚み」と「圧倒的な空間表現」である。

インピーダンス50Ωという鳴らしやすさでありながら、テープエコーのようなアナログテイストの「揺らぎ」や、ギターの弦が擦れる微細なニュアンスを、直挿しでも生々しく豊かに表現してくれる。

さらに、独自のE.A.R.テクノロジー(傾き設計)によって、音が耳元に張り付かず、墓前に吹き抜ける風やジョンの震えるような空気感を、まるで自分がその場に立っているかのような没入感で届けてくれる。曲の後半で訪れる轟音のバーストでも、開放型特有の抜けの良さで音がこもることなく空間へ雄大に響くため、悲しみの中に同居するジョンの「決意」を余すことなく受け止めることができるはずだ。

さらに、低域が非常にタイトに設計されているため、曲の後半で訪れる轟音のバーストでも音が潰れることがない。それは、悲しみの中に同居するジョンの「家族を守り抜くという決意」を、力強い響きとして届けてくれるのだ。

↑↑HD 599で聴く『Nightswimming』は、ジョンの心の奥底まで映し出してくれる↑↑

おわりに

『レッド・デッド・リデンプション2』の旅路を終えた後、ふとこの『Nightswimming』を聴いてみてほしい。

そこには、画面の中で操作していた「キャラクター」としてのジョンではなく、一人の男として葛藤し、再生しようとする「魂」の震えがあるはずだ。

復讐は虚しいものかもしれない。だが、その虚しさの先にしか見えない安堵もある。

Pray for Soundが紡ぐ音の揺らぎの中で、あなたはもう一度、アーサーの帽子を被り、あの広大な荒野を想い出すことになるだろう。

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