シェイディベルに吹く夕暮れの風──『レッド・デッド・リデンプション2』とGrails『High & Low』が描く、もう戻ることのできない時間

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レッド・デッド・リデンプション2 シェイディベルへ続く夕暮れの一本道を案内するアリア Uncategorized

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この記事には『レッド・デッド・リデンプション2』終盤以降の内容が含まれています。まだ物語を最後まで歩いていない方は、ぜひクリア後に戻ってきてください。この景色は、最後まで旅をした人だからこそ見える景色だと思っています。

イントロダクション

夕暮れの一本道を歩いていると、不意に「あの場所へもう一度行きたい」と思う瞬間がある。

ゲームをクリアしたあとに訪れたくなる場所とは、決してラスボスの前でも、絶景スポットでもない。

それは、自分の記憶の中にだけ残り続ける場所である。

今回紹介したいのは、『レッド・デッド・リデンプション2』に登場するシェイディベルの屋敷

そして、その情景と静かに共鳴する一曲が、Grailsの『High & Low』である。

乾いたギターの音色は、まるで夕暮れの風が木々を揺らす音のように静かに響き、その奥で寄り添うピアノやストリングスは、もう戻ることのできない時間を優しく思い出させてくれる。

この曲は、シェイディベルという場所を彩るBGMではない。

ジョン・マーストンが再びこの場所へ足を踏み入れた時、胸の奥で自然と鳴り始める”記憶”そのものなのである。

レッド・デッド・リデンプション2 シェイディベルへ続く一本道を歩くジョン・マーストン
夕暮れの一本道。その先に見える屋敷は、ジョンにとってもう戻ることのできない時間の象徴。

シェイディベルという、ささやかな幸せがあった場所

ダッチギャング団は、安住の地を持たない集団だった。

雪山を越え、河原へ移り、また新たな土地へ向かう。

彼らは常に追われるように拠点を変えながら生きていた。

そんな彼らがたどり着いたのが、シェイディベルの屋敷である。

きっかけは、ジャック・マーストンの誘拐だった。

仲間を救うために向かったその屋敷は、皮肉にも彼ら自身の新たな生活の始まりとなる。

決して豪華な屋敷ではない。

それでも、雨風をしのげる屋根があり、仲間と食卓を囲み、ときには庭で酒を酌み交わしながら未来への希望を語り合う。

これまで幌馬車やテントで暮らしてきた彼らにとって、その日々は何ものにも代え難い時間だった。

シェイディベルは、ダッチギャング団にとって最も”家”に近づいた場所だったのである。

レッド・デッド・リデンプション2 シェイディベルの屋敷
仲間たちと寝食を共にし、束の間の穏やかな日々を過ごしたシェイディベルの屋敷。

そこには、ギャングとしての姿だけではない。

笑い合い、食事を囲み、家族のように肩を並べて過ごした、ごく当たり前の日常があった。

アリア
アリア

読んでたらね、ギャング団っていうより……なんだか家族みたいに見えてきちゃった。

しかし、その穏やかな時間は長く続かなかった。

再び彼らはこの屋敷を離れ、放浪の生活へ戻る。

そしてダッチギャング団は、少しずつ崩壊への道を歩み始める。

彼らが失ったのは、ただ一つの拠点ではない。

“家族”として過ごせた、かけがえのない時間そのものだったのである。

成長したジョンが見た景色

物語をクリアしたあと、ジョン・マーストンとして再びシェイディベルを訪れることができる。

かつて仲間たちが笑い合っていた屋敷は、静寂だけを残していた。

板は朽ち、壁は崩れ、庭は雑草に覆われている。

湿地には変わらずワニが潜み、人の気配はどこにもない。

それでも、この場所には不思議な温かさが残っている。

ジョンが見ているのは、荒れ果てた屋敷ではない。

そこに重なる、かつての日々の記憶である。

アーサーが歩いた廊下。

アビゲイルやジャックの笑い声。

仲間たちが庭で食卓を囲み、酒を酌み交わしながら未来を語り合った夕暮れ。

もう二度と戻ることはできない。

だからこそ、この場所は特別なのである。

変わってしまったのは景色だけではない。

ジョン自身もまた、あの頃とは違う人間になっていた。

シェイディベルで静かに煙草を吸うジョン・マーストン
夕暮れ時に静かに一服するジョン。彼の顔つきは最早RDRのジョン・マーストンとなっている。
アリア
アリア

同じ景色なのに、違って見えることってあるよね。……変わったのは、ジョンなんだ。

かつては仲間に守られ、どこか頼りなさを残していた男は、多くの別れを経験し、一人の父親として、一人の男として歩き続けてきた。

同じ道を歩いているはずなのに、見える景色はまったく違う。

それは、時間が流れたからではない。

ジョン自身が、その時間を生き抜いてきたからである。

Grails『High & Low』が描く、戻ることのできない時間

そんな情景に、Grailsの『High & Low』ほど似合う曲を僕はまだ知らない。

派手な盛り上がりがあるわけではない。

感情を無理に押し上げることもない。

乾いたギターの響きは、湿地を吹き抜ける夕風のように静かで、その奥に寄り添うピアノは、忘れていた記憶をそっと呼び起こしてくれる。

曲は少しずつ表情を変えながら、それでも決して過去へ戻ろうとはしない。

前へ進みながら、過去を静かに抱きしめる。

その姿勢が、この場所と驚くほど重なって見えるのである。

アリア
アリア

この曲って泣かせようとしてこないんだよね。だから逆に、気付いたら思い出してる。

もしこの情景を味わうなら、急ぐ必要はない。

夕暮れの光に染まる一本道をゆっくり歩いてほしい。

橋を渡り、木々の間を抜け、その先に静かにたたずむシェイディベルを見つめる。

その瞬間、誰かに勧められなくても、不思議と心の中で『High & Low』が流れ始める。

その音はBGMではない。

ジョンが歩んできた時間。

失われた仲間たちとの記憶。

そして、もう戻ることのできない日々への想い。

そのすべてが重なり合い、この曲はシェイディベルという場所の記憶そのものになっていくのである。

この情景を、もう一歩深く味わうために

シェイディベルの屋敷から見える静かな庭園
屋敷の中から眺める景色。静かな空気が、記憶の余韻をゆっくりと包み込む。

この情景を味わうなら、部屋の空気にも少しだけ手を加えてみてほしい。

今回、僕が選びたい香りはオークモスである。

深い森を思わせる落ち着きの中に、湿った土や古い木材を連想させる重厚さがあり、シェイディベルを包む静かな空気とよく調和する。

香りは強く主張する必要はない。

部屋の隅で、かすかに漂う程度で十分だ。

アリア
アリア

湿った木の匂いって、不思議だね。懐かしい場所なんて知らないはずなのに、帰ってきた気持ちになる。

夕暮れの明かりを部屋に取り込み、ゲームを起動する。

そして『High & Low』を静かに流しながら、ジョンとともに一本道を歩いてみる。

派手な演出は何もない。

それでも、その静けさの中には、物語を最後まで歩いた人だけが感じられる特別な時間が流れている。

ゲームの情景は、映像だけで完成するものではない。

音楽が寄り添い、香りが空気を満たし、その瞬間の感情が重なったとき、初めて「その世界にいる」という感覚が生まれる。

それこそが、僕がSG-Walker.Japanで届けたいゲーム体験である。

おわりに

『レッド・デッド・リデンプション2』には、美しい景色が数え切れないほど存在する。

雪山の朝焼け。

広大な草原。

サンドニの夜景。

どれも印象深い場所ばかりである。

それでも僕が何度も足を運んでしまうのは、シェイディベルだ。

そこには絶景があるわけではない。

貴重なアイテムが落ちているわけでもない。

ただ、仲間たちが笑い、語り合い、生きていた時間が残っている。

そして、その時間はもう戻らない。

だからこそ、人は何度でもこの場所へ帰ってきてしまうのだと思う。

夕暮れの一本道を歩きながら、静かに屋敷を見つめる。

そのとき心の中で流れ始める『High & Low』は、一曲の音楽ではない。

ジョン・マーストンという一人の男が歩んできた人生そのものなのかもしれない。

もし『レッド・デッド・リデンプション2』をクリアしているなら、ぜひ一度だけ、何も目的を持たずにシェイディベルを訪れてみてほしい。

ジョン・マーストンと馬がシェイディベルを訪れる風景
何度でも帰ってきたくなる場所。そこにはジョンと自分だけの思い出が残っている。

きっとそこには、攻略サイトには載っていない、あなただけの景色が待っているはずである。

アリア
アリア

最初はね、屋敷ばっかり見てたの。でも読み終わってからもう一回画像を見たら、道しか見えなくなっちゃった。あの屋敷へ行きたいんじゃない。あの時間へ帰りたいんだね。

🎧 この世界を、もっと深く味わうために

シェイディベルへ続く一本道は、ただゲーム画面を見るだけでは、その静かな空気まで感じ取ることは難しい。

Grails『High & Low』が描く繊細な残響、湿地を吹き抜ける風、そして夕暮れの静寂。その一つひとつが重なったとき、この情景は初めて「思い出」として心に残る。

その体験を支えてくれるのが、僕が長く愛用している Sennheiser HD599 である。

広がりのある音場が、景色の奥行きを描き出す

HD599最大の魅力は、開放型ならではの自然で広大な音場である。

シェイディベルへ続く一本道をゆっくり歩く時間。その先に見える屋敷までの距離感や、周囲に広がる湿地の静けさまで、まるで自分がその場所に立っているかのような没入感を与えてくれる。

ゲームの景色だけでなく、「空気」まで楽しみたい人には、この広がりは大きな魅力となるだろう。

一つひとつの音を丁寧に描き分ける解像感

Grails『High & Low』は、派手さで聴かせる楽曲ではない。

静かに重なり続けるギターやピアノの余韻、その奥で鳴り続ける繊細な響きが少しずつ情景を形作っていく。

HD599は、それらの音を埋もれさせることなく、一つひとつを自然に描き分けてくれる。

だからこそ、音楽がただのBGMではなく、「シェイディベルという場所」を思い出させる存在へと変わっていくのである。

長時間でも疲れにくい、自然なリスニング体験

『Red Dead Redemption 2』には、目的もなく世界を歩きたくなる時間がある。

夕暮れの一本道を進み、立ち止まり、景色を眺める。

そんな穏やかな時間に寄り添うには、刺激の強い音よりも自然な鳴り方のほうが心地よい。

HD599は長時間でも聴き疲れしにくく、ゲームと音楽の世界へ静かに没入させてくれる一台である。

『Red Dead Redemption 2』は、派手な銃撃戦だけが魅力のゲームではない。

静かに歩き、過去を思い出す時間にこそ、この作品の本当の美しさがある。

もし今回の記事を読んで、「この情景をもっと深く味わってみたい」と感じたなら、HD599はその旅を耳元から支えてくれる、心強い相棒になってくれるはずである。

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