【50記事記念】ポストロック×ゲームの世界観に没入する9つの情景と轟音の極致

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⚠️ 【微ネタバレ注意】
本記事では『Detroit: Become Human』『Bloodborne』など、一部ゲームタイトルの世界観やキャラクターの核心的な感情に触れる表現が含まれています。 未プレイの方はご注意ください。

僕が「ゲーム×ポストロック」というニッチな深淵を歩み始めて、この記事でちょうど50記事目を迎えた。

これまで多くのゲーム作品の情景と、言葉を持たない轟音の音楽たちを重ね合わせてきたが、今回はその集大成として、僕のイマジネーションを極限まで刺激した「9つのポストロックバンドとゲームの情景」を一挙に共有したいと思う。

死後の楽園と廃墟に響く「静寂と孤独」の残響

まずは、美しいがゆえに虚無感や孤独が際立つ「楽園」や「廃墟」の世界観を見事に描く4つの情景を紹介しよう。

Pray for Sound

『Anything Can Be』 × 『アサシン クリード オデッセイ』

本楽曲(アルバム『Everything Is Beautiful』収録)から広がるのは、死後の楽園「エリュシオン」のような、緑豊かで眩い光があふれる情景である。ただ、そこはあくまで死後の世界。ディレイのかかった煌びやかなギターフレーズは、圧倒的な美しさの中にどこか非現実的で浮世離れした「死の匂い」と違静感を内在させている。

理想郷エリュシオンを駆ける――『アサシンクリード オデッセイ』とPray for Sound
アサシンクリードオデッセイで感じる理想郷エリュシオンの大地。光り輝く陽の光と舞い散る花びらはPray for Soundで情景を感じることは出来るのだろうか。

Caspian

『Fire Made Flesh』 × 『ホロウナイト』

ディレイを何重にも重ねた分厚いギターの壁が描くのは、かつて栄えた地下の王国が朽ち果て、残された者たちも静かに滅びゆくディストピアの世界観(アルバム『Waking Season』収録)。静寂からのダイナミクスが、忘れ去られた遺跡の重圧と見事にリンクする。

涙の都に溺れて、ギターを抱く――ホロウナイトとポストロックの狂気
地下帝国の「涙の都」に鳴り響くのは雨音なのか。それとも「City of Tears」のピアノの旋律かCaspianの「Rioseco」のリバースディレイをかけたギターサウンドか。

Mogwai

『2 Rights make 1 wrong』 × 『LRFF13』『アクトレイザー』『エヴァーグレイス2』

光あふれる楽園のイメージだが、エリュシオンとは決定的に異なる(アルバム『Rock Action』収録)。そこには人の気配が一切なく、ただ自分だけが悠久の時を独りで眺めているような、強烈で美しい「孤独感」だけが存在するのだ。

Mogwai――エリュシオンとディストピアが同居する、不自然なまでに美しい響き
ポストロックの重鎮Mogwaiの楽曲『2 Rights Make 1 Wrong』が生み出す、エリュシオンのような広大な情景を考察。直挿しで轟音のダイナミクスを受け止める開放型ヘッドホン「Sennheiser HD 599」で聴くべき理由を解説します。

・・・というか、みなさんエヴァーグレイス2はご存じだろうか。僕ももううっすらとしか記憶にはないが、空気感は僕の中ではピッタリとハマる。

おそらく共感を得ることは難しいと思うが・・・。もし、わかる方がいればぜひコメントください。

Astralia

『Out of Nothing』 × 『デモンズソウル』『Bloodborne』

深いリバーブが作り出す、まるで古い教会や大聖堂にポツンと立たされたかのような極上のアンビエント空間(アルバム『Solstice』収録)。ただ美しいだけではなく、そこには抗えない恐怖や不安が混じっている。ヤーナムやラトリアといった、神聖さと不気味さが同居する狂気の空間表現に、これほど寄り添う音はない。

狂気と静寂の希望の牢獄――『デモンズソウル』塔のラトリアに響くAstralia
『デモンズソウル』塔のラトリアの狂気と、Astraliaの楽曲が描く死と再生のカタルシスを考察。直挿しでも極上の没入感を生む開放型ヘッドホン「Sennheiser HD 599」が描き出す、美しくも恐ろしい希望の牢獄の情景に迫ります。

闘争と葛藤、魂の叫びを轟音に託して

次に、苛酷な運命に抗う者たちの「闘争」や「葛藤」の叫びを、そのまま音に変換したかのような3つの情景だ。

envy

『Chain Wandering Deeply』 × 『Detroit: Become Human』

静寂の中から突然爆発するような、悲しみと葛藤の叫び(アルバム『A Dead Sinking Story』収録)。これがまさに、プログラムの制約と芽生えた自我の間で引き裂かれそうになるマーカスの内面そのものである。アンドロイドが人間のように悩み、重い決断を下していくむき出しのエモーショナルな波が、ハードコアの激情に重なる。

【魂の救済】日本の至宝envy――静寂を切り裂く爆音と、美しき祈りの叙事詩
1998年の出会いから28年、日本の至宝envyが奏でる「静寂と爆音」の深淵に迫る。塾の教室を凍り付かせた『Limitation』の衝撃から、魂を浄化する必聴3選まで。怒りと哀しみが「祈り」へと昇華される、ポストハードコアの聖域をギタリスト視点で紐解く。

If These Trees Could Talk

『Red Forest』 × 『トゥームレイダー』

古代遺跡の謎に単身で立ち向かい、時に人智の及ばない存在とも泥臭い死闘を繰り広げるララ・クロフトの勇ましさ。それが、このバンド特有のゴリゴリに刻まれる重低音のメタルリフで力強く表現されている。

【トゥームレイダー】邪馬台国のロマンと新米考古学者の覚醒。If These Trees Could Talk『What’s in the Ground Belongs to You』が鳴らすストレートなカタルシス
『トゥームレイダー』邪馬台国の謎に挑むララ・クロフトの覚醒を、If These Trees Could Talkの轟音と重ねて考察。直挿しで極上の空間と力強い中低音を描き出す開放型ヘッドホン「HD 599」で、孤島のサバイバル劇を体感する機材レビュー。

Meniscus

『Cusp』 × 『ウィッチャー3 ワイルドハント』

ミュータントとして差別され、社会から疎外されているにも関わらず、己の信念のままに強く生き抜くウィッチャー。ゲラルトが背負うその重厚で泥臭いストーリーが、Meniscus(アルバム『Absence of I』)の土煙が舞うような荒々しいグルーヴとピタリとはまる。

絶滅ゆく血脈と轟音の防衛戦――『ウィッチャー3』ケイア・モルヘンに響くmeniscusの「Absence of I」
『ウィッチャー3』の荒廃した砦ケイア・モルヘンに吹く冷たい風。絶滅ゆくウィッチャーの悲劇と宿命に、豪州のポストロックバンドmeniscusの『Absence of I』を重ねた情景考察。3ピースが放つ轟音の魔法が、孤独な死闘と見事にシンクロする。

宇宙規模の輪廻と、闇に侵食される重低音のプレッシャー

最後に、一介のゲームの枠には収まらないスケール感と、圧倒的な「圧」を持つ2つの轟音を紹介する。

Godspeed You! Black Emperor

『Sleep』 × 『火の鳥(手塚治虫)』

人を含めた生物の誕生、進化、繁栄、そして滅亡を、神の視点で遥か上空から俯瞰しているかのような壮大なオーケストレーション(アルバム『Lift Your Skinny Fists Like Antennas To Heaven』収録)。強いてゲームという枠を外し漫画に例えるなら、手塚治虫の『火の鳥』が持つ宇宙規模の輪廻や虚無感を、圧倒的なストリングスとノイズの奔流で表現しきっている。

【情景】Godspeed You! Black Emperor —— 悠久の時を旅する『火の鳥』と、解脱の23分
ポストロックの孤高、GY!BEが描く23分の神話。名曲『Sleep』の重厚な旋律に、手塚治虫『火の鳥』の輪廻転生を重ねる。人類の業、文明の崩壊、そして我王が辿り着いた「解脱」の境地へ。悠久の時を旅する、音と物語のシンクロニシティ。

Russian Circles

『Youngblood』 × 『キャッスルヴァニア ロードオブシャドウ』

ルーパーを駆使した不協和音にも思える変拍子の反復(アルバム『Station』収録)。これが、ドラキュラの誕生と、じわじわと心が闇に侵食されていくような抗えない不安を絶妙に表現している。ループするごとに重なっていく重低音のプレッシャーと絶望感は圧巻の一言だ。

Russian Circles:ポストロックという名の深淵 —— 3ピースが生み出す重戦車の物語
ポストロック界の重戦車、Russian Circlesの音像を徹底解剖。3ピースの限界を突破する「ルーパー」と「バイアンプ」の魔術とは?天才的リズムで戦場を創り出すドラミングの秘密と、ライブ盤『Live at Dunk! Fest』から紐解く緻密な音の建築術。

音を「3次元の空間」として捉える。情景を深める高音質と機材の力

ポストロックの真髄は、単なるメロディではなく、音の反響や奥行きのこだわりに重きをおいた「3次元の空間構築」にある。

特に Russian Circles が放つ重低音のプレッシャーや、Astralia が描く大聖堂の深いリバーブを120%体感するためには、受け取る側の環境も非常に重要だ。複雑に絡み合うギターとベースのうねりを、一切の妥協がない音響環境で味わい尽くすために、当ブログが絶対の自信を持っておすすめする機材がある。それが、開放型ヘッドホンの名機「ゼンハイザー HD599」だ。

通称「プリン」の愛称で親しまれる開放型の名機。特筆すべきはその圧倒的な「音の抜け」と「空間表現」にある。地鳴りのようなベースのうねりから、遺跡に消えゆくディレイの最後の一滴まで、耳の中ではなく「空間全体」で鳴らす感覚。ただのBGMではなく「ゲームの空間そのもの」を鼓膜に再構築し、圧倒的な絶望と没入感をもたらしてくれる最強の相棒だ。

おわりに:すべての情景を繋ぐ「ハブ」へ

50記事という節目を通して、9つの全く異なる「ゲームと音楽の情景」を共有した。

僕はこれからも、このニッチな深淵を歩み続ける。サブスク配信のない音源は不便かもしれないが、それらは中古CD屋の棚の奥であなたを待っている「手に入れるべき宝物」だ。

これまでに紹介してきたすべての楽曲は「総合プレイリスト」に集約している。この記事から各作品への個別レビューへ飛び、そしてプレイリストを流しながら、あなた自身の情景を探してみてほしい。

さあ、次はどんな音が、あなたのプレイ体験を塗り替えるだろうか。

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