🎮 この記事の楽しみ方
この記事では、『Demon’s Souls』に登場する乙女アストラエアと、彼女が祈り続けた腐れ谷の情景を取り上げる。その景色に重ねる音楽は、Mogwaiの『I Know You Are But What Am I?』。湿った土を思わせるパチュリの香りとともに、一人の聖女が残した「純粋すぎた慈愛」を辿っていく。音楽を再生できる環境であれば、ぜひ曲を聴きながら読み進めてほしい。
🎮 この先を読む前に
この記事には、『Demon’s Souls』の腐れ谷、ガル・ヴィンランド、乙女アストラエアに関する重大なネタバレが含まれている。未プレイの方は注意してほしい。

腐れ谷の最奥に、一人の聖女はいた
腐敗した廃棄物が積み重なり、どこまでも濁った沼が広がる。
足を踏み入れるだけで気が滅入りそうな異臭と湿気。人々から見捨てられた病人や罪人が身を寄せ合い、生きることさえ諦めかけている者たちが、息を潜めるように暮らしている。
『Demon’s Souls』に登場する腐れ谷は、プレイヤーへ強烈な印象を残す場所だ。
薄暗い足場、毒沼。そして巨大な腐敗生物。
この場所を訪れた誰もが、「不浄」という言葉を思い浮かべるだろう。
しかし、その腐れ谷の最奥には、この世界で最も純粋で、美しい存在がいる。
乙女アストラエア。彼女は元々、神に仕える純粋な聖職者だった。救済を求め、腐れ谷へと足を踏み入れた彼女が目にしたのは、想像をはるかに超える惨状だった。
汚染された大地に病に苦しむ人々。誰からも助けられることなく、ただ人知れず命を削っていく者たち。彼女には、この地へ救いが届いているようには見えなかった。
だからこそ、彼女は決断する。自らが救うのだと。それがたとえ、その代償が自分自身であったとしても。
人々を癒す力を得るために、乙女アストラエアは迷うことなくデーモンとなる道を選んだ。


腐れ谷ってデモンズソウルの中でも、結構ドロドロしてちょっと嫌な雰囲気の場所だよね。アタシ結構苦手な場所なんだよねー・・・
その行為は、人間から見れば堕落だったのかもしれない。だが彼女にとって、その選択は最後まで「誰かを救いたい」という、あまりにも純粋な願いの延長線上にあった。
その姿は、悪意とはあまりにも遠い。ただ、不器用なほど真っ直ぐだった。
だから僕は、今でも彼女を「デーモン」ではなく、一人の聖女として見ている。
そして腐れ谷には、もう一人、最後まで彼女の傍を離れなかった男がいる。
それがガル・ヴィンランドだ。

巨大な盾と槍を携えた彼は、アストラエアを守る騎士だ。彼女がデーモンとなった後も、その忠誠は決して揺らぐことはなかった。いや、彼が守っていたのは、デーモンではない。誰よりも純粋で、誰よりも人を救おうとした、一人の女性だったのだ。
プレイヤーは、この騎士を倒さなければアストラエアのもとへ辿り着くことはできない。
それはボス戦というよりも、二人が最後まで守り続けた想いへ踏み込んでいくような、どこか胸の痛む戦いだった。

ガルって倒すのに苦労したイメージだったけど、この記事を読んでものすごく良いヤツに思えてきたよ。ガルも純粋なんだね!
誰にも知られない場所で続けられた慈愛
ガル・ヴィンランドを討った先で、僕は隠れもせず、ひっそりと祈りを捧げるアストラエアと対峙する。そこに待っていたのは、世界を滅ぼそうとする邪悪なデーモンではなかった。
怒りもない。憎しみもない。ただ、人々のために癒しの力を使い続ける、一人の聖女だった。
彼女は最後まで戦おうとはしない。むしろ、自らの運命を受け入れるように、その最期を迎える。
僕は初めてこの場面を見たとき、不思議な感覚に包まれた。
本当に倒すべきだったのは、この人だったのだろうか。そんな迷いを抱
えたまま、腐れ谷を後にしたことを今でも覚えている。
その答えを教えてくれたのは、沼地に佇む一人の女性セレン・ヴィンランドだった。ガル・ヴィンランドの姉である彼女は、腐れ谷についてこんな言葉を残している。

「この地は不思議なところですね。これほどに、不浄に満ちているのに、穢れたものではないように思えるのです。」
この一文を読んだ瞬間、僕の中で腐れ谷という場所が、まったく違う景色へと変わった。確かに、この地は腐敗している。毒沼が広がり、病が蔓延し、誰も近寄ろうとはしない。
それでも、穢れてはいない。
なぜなら、この場所には最後まで人を見捨てなかった者がいたからだ。
アストラエアは、人々を救うためにデーモンとなった。ガル・ヴィンランドは、その決意を最後まで信じ抜いた。
誰かに褒められるためではない。歴史に名を残すためでもない。
誰にも知られない腐れ谷の最奥で、ただ目の前の人々へ手を差し伸べ続けた。
その姿は、英雄という言葉よりもずっと穏やかで、ずっと不器用だった。だから僕は、この二人を見ていると「デーモン」という言葉が似合わない。
彼らは世界を支配しようとした存在ではない。世界から見捨てられた人々を、最後まで見捨てなかった存在だった。

腐れ谷ってガルを後ろめたい気持ちで倒して、そのあとアストラエアが、あんなカンジになっちゃうじゃん…。なんか改めて考えさせられるステージだったね。
この情景に寄り添う一曲
今回、この情景とともに紹介したいのは、Mogwaiの『I Know You Are But What Am I?』だ。初めてこの曲を聴いたとき、派手なギターも、大きく感情を揺さぶる展開もなかった。穏やかなピアノが、ただ同じ旋律を何度も繰り返している。
その音は驚くほど単調だ。
それなのに、不思議と耳を離れない。
僕はこの曲を聴きながら、何度もアストラエアの姿を思い浮かべた。彼女もまた、毎日同じことを繰り返していたのではないだろうか。
傷ついた人へ手を差し伸べる。
病に苦しむ者を癒す。
また次の日も。そして、その次の日も。
誰かに褒められることもなく。
誰かに感謝されることもなく。
ただ、自分にできることを繰り返し続ける。
その姿は、この曲のピアノとどこか重なって聴こえる。
決して技巧的ではない。
決して華やかでもない。
それでも、どこまでも美しい。
僕はこの曲を表現するなら、「不器用に綺麗」という言葉が一番しっくりくる。そして曲の中で時折顔を覗かせる、不安を誘うような不協和音。その一瞬だけ、腐れ谷の湿った空気が目の前へ現れる。
救われない人々。
腐敗した世界。
それでも、その奥では消えることのない慈愛が息づいている。Mogwaiの音は、腐れ谷そのものを描いているのではない。アストラエアがいた腐れ谷を描いている。だから僕は、この曲を聴くたびに、もう一度あの場所へ帰りたくなる。

この曲ってホントにピアノが寂しく響くイメージで時折入ってくる不協和音が印象的だよね!
腐れ谷!ってカンジは全然しないけど、アストラエアやガルの話を改めて考えると腐れ谷の奥底の情景が見えてきた気がするね!
この情景に寄り添う香り
今回選んだ香りは、100%天然精油「パチュリ」である。華やかな花の香りではない。柑橘のような爽やかさもない。最初に感じるのは、湿った土を思わせる深く落ち着いた香り。
けれど、その印象は時間とともにゆっくりと変化していく。
角が取れ、丸くなり、やがて誰かを包み込むような穏やかさへ変わっていく。その香りに触れていると、僕は腐れ谷の土を思い浮かべる。病に苦しむ人々を受け止め続けた土。アストラエアが祈りを捧げ続けた土。そして、誰にも知られることなく慈愛が染み込んでいった土。
腐れ谷は、不浄の地である。
それでもセレン・ヴィンランドは、「穢れたものではないように思える」と語った。その言葉の意味を考えながらパチュリを香らせると、不思議と土の匂いは嫌なものではなく、長い時間をかけて誰かの想いを受け止め続けてきた大地のように感じられる。
もしこの記事を読み終えたあと、この曲を流しながらパチュリの香りを漂わせてみてほしい。
きっと、あなたの前にも、あの腐れ谷が広がるはずだ。
そして、その景色はもう「不浄の地」ではなく、一人の聖女が最後まで祈り続けた場所として映るのではないだろうか。

なるほどね!腐れ谷だから香りについてはちょっと嫌な予感はしたんだよねぇ・・・。でも穢れていない土の香りって考えるとなんかあったかいカンジはするね。ちょっと面白いかも!
おわりに
『Demon’s Souls』には、数多くの強敵が登場する。
巨大なデーモン。
恐ろしい魔物。
そして、世界を滅ぼしかねない存在。
その中で、僕が最も忘れられなかったのは、一人の聖女だった。世界から見捨てられた人々を救うため、自らデーモンとなることを受け入れた乙女アストラエア。彼女は本当に「悪」だったのだろうか。その答えを、このゲームは最後まで語らない。
だからこそ、僕は今でも腐れ谷を訪れる。
答えを探すためではない。
もう一度、あの場所で静かに祈り続けた彼女に会うために。
もし、まだ彼女の物語を知らないのなら、一度だけ腐れ谷の最奥まで歩いてみてほしい。あなたの目に映るアストラエアは、きっと僕とは少し違うはずだ。それでも、その瞳の奥にある「純粋すぎた慈愛」は、同じように心へ残り続けるだろう。
そして、腐れ谷を後にしたあとも、その想いはきっと、静かにあなたの中へ残り続けるはずだ。

デモンズソウルってすごく難しいゲームだから、必死に頑張ってやってたけどすごく奥が深いんだね!アタシ、今度また腐れ谷のステージを頑張ってみようかな!

ただなぁ。腐れ谷ってすごく難しいし、よく落ちちゃうからアストラエアまでたどり着けるか自信がない・・・。

でも辿り着いて、このMogwaiの『I Know You Are But What Am I?』聴きながらプレイしたら、あの時見えなかった光景がみえるかもね!
この世界を、あなたの部屋でも。
この記事で紹介したMogwaiの音楽と、パチュリの香り。その二つが重なると、不思議なくらい腐れ谷の空気が部屋の中へ広がってくる。もし、その体験をさらに深めたいと思うなら、僕が普段使っているSennheiser HD599をおすすめしたい。
このヘッドホンは、音を派手に演出するタイプではない。だからこそ、今回のような情景にはとてもよく似合う。
腐れ谷の空気まで感じられる自然な音場
HD599の魅力は、広がりのある自然な音場だ。
Mogwaiの穏やかなピアノ。
腐れ谷を包む湿った空気。
遠くで響く環境音。
それぞれが無理に強調されることなく、まるでその場にいるような距離感で耳へ届いてくる。派手さはない。だからこそ、この世界の空気をじっくり味わうことができる。
長く浸っていたくなる快適な装着感
気付けば一曲が終わり、また最初から再生している。そんな時間が、この作品にはよく似合う。HD599は軽く柔らかな装着感で、長時間身につけていても疲れにくい。ゲームを遊ぶためだけではなく、音楽を聴きながら記事を読み返したり、情景を思い返したり。
そんな時間を、自然と支えてくれる存在だ。
「不器用に綺麗」を、そのまま届けてくれる音
今回の記事を書きながら、僕はMogwaiの音を「不器用に綺麗」と表現した。HD599は、その繊細なニュアンスをとても自然に聴かせてくれる。ピアノの余韻。わずかに混ざる不協和音。音と音の間にある静けさ。
どれも誇張することなく、そのまま耳へ届けてくれる。
だから僕は、この作品を思い返すとき、いつもHD599を手に取ってしまう。僕にとってHD599は、ゲームを有利に進めるための道具ではない。もう一度、あの世界へ帰るための環境である。
腐れ谷を歩き。
Mogwaiの音に耳を傾け。
パチュリの香りに包まれながら、アストラエアのことを思い返す。そんな時間を過ごしたい人には、きっと良い相棒になってくれるはずだ。

腐れ谷って広い場所だから音の響きはすごくあるよね!だからなおさらHD 599 SEの開放型ヘッドフォンはサイコーだね!やっぱゲームも音楽もいい音で聴きたいじゃん?だからみんなも気が向いたら試してみてよね!
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Mogwaiの『I Know You Are But What Am I?』を高音質で聴きながら、もう一度あの腐れ谷を思い返してみてほしい。
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